NEWBEE TREND × MIXI — 2026.04.16 収録

人に、
賭ける。 AI時代に、MIXIが若手へ投資する理由。
99%の自動化の先で、私たちは「育てる」を選んだ。

ゲスト 村瀨龍馬 / MIXI 取締役 上級執行役員
聞き手 蜂須賀大貴 / Newbee 代表
収録 SHIBUYA QWS

AI導入
99%の現在地。

MIXI は 2025 年 4 月から 3 ヶ月で、全社 AI 導入を一気にやり切りました。PoC はやっていません。浮いた時間は人員削減ではなく、新規プロダクトとグローバル展開に戻します。

99%
全社 AI 利用率(約 2,000 名)
17,600h/月
月間削減時間
10億円
FY2025 利益貢献規模
45部門
AI 施策が稼働中
500+
社内カスタム GPT/施策
30 → 1人日
LP 制作のリードタイム
1日1本
1 人で新サービスを立ち上げる速度(個人実例)
90%
今年エージェント化する業務

デザイナーは、
もうエンジニアを待たない。

デザイン・映像の現場で起きているのは「高速化」ではありません。今まで人に依頼して待っていた工程が、自分の手の中で完結するようになりました。職種の境界が、溶けています。

DESIGN
デザイナーが、
プラグインを作る。
Cursor/Claude Code で、Figma プラグインをデザイナー自身が制作。エンジニアへの依頼という工程そのものが消えた。
  • Figma プラグインを Claude Code で開発
    2 時間0
  • チケット販促バナー生成 webapp
    15 時間1 分
  • カードエフェクト実装(従来はエンジニア依頼)
    5 時間5 分
  • LP 制作(FigmaMake + GitHub Copilot)
    1.5〜3 ヶ月3 週間
  • 3D モデル 1 セット制作
    3 ヶ月・100 万円3 日・3,000 円
  • Figma バリアブル自動付与(10 画面分)
    3〜6 分10 秒(97% 減)
VIDEO & CREATIVE
撮影なし、外注なし、
それでも数字が立つ。
画像生成 AI で内製化した 1 本が 500 万 imp・日本トレンド 6 位・いいね 1.7 万。430 万円の外注が、0 円に置き換わった。
  • 画像クリエイティブ制作フロー(ワークフロー立案)
    14 営・100〜200 万円1 時間・0 円
  • 画像生成 AI フロー実務導入(量産)
    52 営・430 万円10 営・0 円
  • 大型ロケ(選手 6 名)のロケ地選定
    16 時間・20 万円20 分・0 円
  • LaLa arena 1st アニバーサリー動画(夜→昼)
    3 日・80 万円半日・生成トライ
  • モンストコラボ絵コンテ制作
    5 営1 営(3 時間)
  • サイネージ告知ビジュアル(事業部からの依頼)
    2〜3 営業日5 分

削減されたのは時間ではなく、「人に依頼して、待つ」という工程。デザイナー・映像クリエイター・プランナーが、職種の壁を越えて自分の手で完結させる。エンジニアはより難しい判断に、デザイナーはより鋭い感性の仕事に回る。

3つの宛先に、
別々の話をします。

経営者、EM、若手エンジニア。同じ AI 時代を、違う場所で生きる 3 つの立場。それぞれに必要な話を、それぞれに。

To:経営者
議論すべきは「入れるか」ではなく、
「浮いた人と時間を、どこに賭けるか」。

AI を入れるかどうかは、もう議論の対象ではありません。

賭け先の筆頭は次の世代への投資です。人を削るために AI を使う会社と、人を増幅するために使う会社は、3 年後に別の生き物になります。

To:Engineering Manager
EMは、もうEMじゃない。

エージェントが実装の 90% を回す世界で、スプリントを回す・進捗を可視化する・1on1 でキャリアを聞く──その役割のかなりの部分は、エージェントとダッシュボードに置き換わります

これからの EM の仕事は 「判断の密度を設計する人」。管理対象は「人」から「人 + エージェント群」へ、評価軸は「アウトプット量」から 「判断の質と決断のスピード」 へ。

肩書きを守るために AI を遠ざけないでください。EM こそ、一番最初に自分の手で AI を握るべき役割です。EM が AI を使っていない組織は、3 年後にエンジニアに見切られます。

To:若手エンジニア
AIに奪われる心配より、
同世代に置いていかれる心配を。

行動した人から順に、年齢もキャリアも飛び越えていける数少ないタイミングです。

迷ったらまずサービスを 1 本、世に出す。完成の快感が自分に刺さるかどうかだけが、エンジニアかどうかの本当のリトマス試験です。

AIで代替できない
3つの素養。

スキルリストは AI が全部追いついてきます。追いつかれないのは、驚かす角度を決める感性と、怖くても一歩前に出る胆力です。

TRAIT 01
夢中を、設計できること。
課題解決を素直に作っても誰も使ってくれない、という現場感覚。「ユーザーサプライズファースト」を自分の手触りで語れること。
TRAIT 02
越境する、T型の好奇心。
深い軸が一本あって、隣の領域を平気で触りに行ける。AI で一人あたりの守備範囲が広がる時代の、最大の武器。
TRAIT 03
自動化する側に、回れること。
自分の仕事がなくなりそうなら、自動化する側に回ればいい。守る姿勢ではなく、作り変える姿勢。

新卒研修を、
AI込みに塗り替えた。

現 CTO 吉野への発注は一言。「カリキュラム全体を、AI 込みに塗り替えてくれ」。MIXI の業務 90% がエージェント化する世界で、配属初日から辻褄が合う研修に。

01
著作権・知財・リスクの座学
Copilot 導入時に知財・法務と整理した素材を、入社 1 週目に全員へ。AI を使う前に、そのリスクの全体像を先に渡す。
02
個人情報ガバナンスの設計思想
なぜ個別申請・個別確認で回すのか。ルールを暗記させるのではなく、ルールの理由を先に渡す。判断できる人材の土台は、ここで作る。
03
AIDLC カスタマイズ研修(新設)
AI を前提にした開発ライフサイクルを、自分たちの現場に合わせて組み直す演習。「AI を使う開発」ではなく「AI 込みで再設計された開発」を最初から叩き込む。
全講師に「自分の AI 使い方を見せる」を課す
一番効くのはカリキュラムそのものではなく運用側。マインドセット研修を含む全セッションの講師に、自分が担当領域で AI をどう使っているかを必ず見せるように依頼した。
背中を見せない研修は、もう研修として成立しない。
"
AIの時代は、人間が不要になる時代ではありません。
少ない人数で、たくさん作って、世界中に届ける。
日本はまだまだ元気でいられる。
— 村瀨龍馬 / MIXI 取締役 上級執行役員

背景レポート
3 本。

McKinsey・PwC・WEF・OECD・Anthropic などの一次情報を束ねた、AI 時代の人と組織に関する独自リサーチ。収録テーマの背景データはこちら。

REPORT 01 · HUMAN ROLES
AI時代の光と影 — 人間の役割 2026
Amodei/Altman/Hinton/Bengio らの言説を並置し、Centaur モデル、各国規制、人間のみが担う役割を俯瞰。
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REPORT 02 · TALENT BLUEPRINT
AI時代に企業が採るべき人物像
7 つのタレント原型、M 字スキルモデル、テイスト・エコノミー、組織の再編パターン、採用フレーム。EM の再定義にも接続
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REPORT 03 · STUDENT GUIDE
AI時代に学生がやるべきこと
置換の現実、年齢別アクションプラン、AI 学習法、各国教育マップ、OECD Learning Compass、スキルチェックリスト。
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